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心大血管リハビリテーション

どのような疾患・障害を対象としているか?

 ①心臓の手術をした患者さん(冠動脈バイパス手術、弁膜症に対する手術)
 ②血管の手術をした患者さん
  (胸部・腹部の人工血管置換術、下肢閉塞性動脈硬化症に対する手術)
 ③心不全や心筋梗塞により入院された患者さん
 ④不整脈等でペースメーカーやICD(植え込み型徐細動器)を植え込んだ患者さん
 ⑤他診療科で心疾患を合併している患者さん

治療の目的,目標,効果は?

心疾患をもつ患者さんに対するリハビリの目的は、脳血管疾患や整形疾患などのリハビリと同様に自宅退院後もこれまでと同様に日常生活を送ることと、生活の質(Quality Of Life:QOL)を向上させることを目的としています。
心臓の治療には安静も必要ですが、過度の安静は筋力低下等を引き起こし、労作時の心臓の負担が強くなることで息切れ等の症状が出現しやすくなります。それを予防するため、入院早期よりリハビリを開始し日常生活動作が自立できるようにしていきます。また、心筋梗塞の患者さんは再発することがありますし、心疾患の患者さんは心不全と呼ばれる状態を繰り返すことがあります。そのような状態を繰り返してしまうと予後が悪くなることがいわれており、再発や心不全を繰り返さないために、私たち理学療法士は運動を中心として指導を行っています。運動のしすぎは心臓の負担を強くして心不全の増悪につながるため、その患者さんにとっての適度な運動を指導しています。
↓ 心疾患患者さんに対する運動療法の効果
①持久力(体力)の向上 体力が向上すると長生きできる!
②筋力の向上 体力もつき息切れが軽くなる!
③換気機能の改善 息切れがよくなる!
④自律神経機能の改善 心不全や不整脈の改善につながる!
⑤末梢循環の改善 手足の血管が広がりやすくなり血流改善!
⑥生命予後の改善 心不全再入院や死亡率が減る!
⑦冠危険因子の改善 高血圧,糖尿病,脂質異常症などを改善!
再発予防につながる!

治療内容は?

 心疾患患者さんに対するリハビリテーションを心臓リハビリテーションといいます。リハビリテーションという言葉がつくので運動だけと思われがちですが、心臓リハビリテーションとは、運動はもちろんのこと、食事・薬・病気の理解・自己管理方法・退院後の支援など様々なものを含み心臓リハビリテーションといいます。そのため理学療法士だけでなく、医師・看護師・薬剤師・栄養士・医療ソーシャルワーカーなど多職種で一人の患者さんに関わり、自宅退院や再発予防などを行っていく治療になります。当院でも多職種でカンファレンスを行っており情報を共有してそれぞれが専門的な分野で意見を交換しながら診療を行っています。
 私たち理学療法士は、運動のスペシャリストとして、手や足の筋肉のストレッチや筋力トレーニング、有酸素運動(歩行や自転車を使用しての運動)を中心にプログラムを立案し、患者さんに応じたリハビリを提供しています。また、リハビリ室では集団心臓リハビリテーションも行っており、心疾患をもつ患者さん達がグループで楽しみながら運動に取り組み、患者さん同士の運動意欲を高めながら診療を行っています。

対象疾患内訳

 ①心臓血管術後(50%) ②心不全(28%) ③虚血性心疾患(9%) ④肺高血圧症(4%)⑤不整脈(3%) ほか

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